世界のスポーツ大会と日本の入浴文化

世界のスポーツ大会と日本の入浴文化-高濃度人工炭酸泉の可能性-

高濃度人工炭酸泉の可能性

世界が注目する2026年のスポーツイベントと「お風呂文化」

2026年は、冬季オリンピックに始まり、WBC、ワールドカップと、世界が注目するビッグイベントが続きます。

そんな中、日本の「お風呂文化」「炭酸泉」が、選手たちのコンディションにどんな役割を果たすのか。スポーツと日本の温浴文化の関係を考えてみましょう。

冬季オリンピックと日本の入浴文化の共通点

2月に開催されるオリンピックは、イタリアのミラノとコルティナの2つの都市で行われます。

イタリアと言えばヨーロッパでも温暖な気候のイメージがありませんか。その国土は南北に長く、南部のシチリア島では冬でも気温は10度前後、日通は厚手のセーターでも過ごせます。対して、アルプス山脈を望むコルティナでは標高も高く、厳しい寒さに見舞われるようです。北海道から沖縄まである日本と似ていますね。

北部ですが、雪の少ないミラノでは主に室内競技が、コルティナではスキーやスノーボードなど室外の競技が開催されます。

寒冷の中、極度の緊張感と激しい戦いを強いられる大会で、日本人選手にとっては大きな湯船がさぞ恋しいことでしょう。

東京五輪会場で、期待される炭酸泉の効果

2021年の東京オリンピックでは、選手村の「リカバリー施設」日本式の大浴場が設置され、日本人のみならず多くの外国人選手も利用し、体験者には好評だったと聞きます。

残念ながら「高濃度人工炭酸泉」が公式に採用されたとの報告はありません。しかし、ぬるめのお湯でもしっかりと温まる人工炭酸泉は、体内の酸素供給が高まるので、疲労回復に有効であると実証されています。この文化を、ぜひ世界へ広めたいものです。

WBCと各国の入浴文化の比較

一方、3月に開催されるWBCは、東京(日本)、サンファン(プエルトリコ)、フロリダ、ヒューストン(アメリカ)の4都市で行われる予定です。一次ラウンドが行われる東京では、韓国、台湾、チェコ、オーストラリアの選手たちが来日します。

日本ほどではありませんが、韓国や台湾にも浴槽に浸かる文化のある国です。そして、チェコには「ビールスパ」というものがあります。今年の正月に実際に体験してきました。世界中から訪れた人々が、ホップの香る温かい湯船に浸かり楽しんでいたのです。

ただし、炭酸ガスを含んだお湯ではなく、ホップや麦芽、酵母を混ぜた湯をバブリングしたものでした。チェコの選手たちには、ぜひ日本のホテルや銭湯で「高濃度人工炭酸泉」を試していただきたい。”この手があったのか!”と感じることでしょう。

今や、多くのホテルでも大浴場があり、「高濃度人工炭酸泉」を採用していることもあります。日本を訪れる選手や応援団が炭酸泉を楽しむことで、認知が高まればと思います。

外国人観光客に人気の銭湯文化

いまインバウンドで来日する外国人の間で銭湯巡りが人気です。リアルな日本文化を身をもって体験できる場所は、その地域に暮らす日本人の生活習慣を感じることができます。

まさに“裸の付き合い”。入浴のルールや日本人の浴室での過ごし方に触れることは、観光地の作られた日本とは違う、本物の体験です。銭湯の暖簾をくぐった旅行者は、日本の文化と、大きな浴槽に浸かる心地よさに満足して暖簾を出ていきます。

この辺りは、拙著『銭湯に学ぶ小さな会社のインバウンド集客成功術』に詳しく書かせていただきました。

FIFAワールドカップとスポーツ選手の「湯船」事情

FIFAワールドカップは6月から7月にかけて、アメリカ、カナダ、メキシコで開催されます。世界的な大会は分散開催が潮流のようですね。参加国は前回の32カ国から48カ国へと大幅に増加し、過去最大規模の大会となります。

冬季オリンピックから一転、今度は暑さの中での戦い。やはり日本人選手にとっては、大きな浴槽が恋しくなるのではないでしょうか。ぬるめの炭酸泉があれば最高だろなと思うのです。

Jリーガーと炭酸泉の意外な関係

サッカーといえば、これまで温浴施設の運営に関わる中で、Jリーグの選手を見かけることは非常に多くありました。

2002年、日韓共同開催のワールドカップで盛り上がる中、私は大阪の施設で勤務しており、当時のガンバ大阪の選手たちがよく利用してくれていたのです。侍ジャパンのキャプテンだった宮本選手や稲本選手など、スター選手の姿も見かけました。

日本中が沸くなか、彼らの“御用達の施設”としてワイドショーの取材が殺到したことがあります。店の宣伝にはなりましたが、選手たちが気軽に利用できず、痛しかゆしで困ったものでした。

銭湯好きのキングKAZU選手

仕事柄、全国の温浴施設を利用しますが、Jリーガーの姿をよく見かけます。

そんな中でキングKAZU選手を見かけたことがありました。実は、KAZU選手の銭湯好きは有名で、業界内でもよく話題に上がります。たしか、トレーニング後は必ず湯船に浸かってケアを行うというインタビューがあったようにも思います。

スーパースターでありながら、てらいもなく庶民に混じって風呂に入り、風呂上がりには脱衣場でストレッチ。ほんとうにカッコいい人だなと感じたものです。間もなく還暦を迎える現役Jリーガー、その息の長さの秘訣が銭湯にあるとすれば、業界関係者としても嬉しい限りです。

地方銭湯と若きJリーガーたち

お付き合いのある地方の銭湯のオーナーは、地元のJFL(J3の下部組織)のスポンサーとして地域貢献をされています。仕事やアルバイトをしながらJ3昇格を目指す若い選手たちが、練習帰りに立ち寄り、炭酸泉に浸かって体のケアをしているのです。

”風邪ひくなよ!” ”怪我するなよ!”

風呂上がりに声をかけて帰っていく未来のJリーガーたちを見送るオーナーのまなざしは、湯船のお湯のように温かいものです。

このように、サッカー選手と銭湯の絆は深いものだと勝手に理解しています。あるJ1チームのクラブハウスには炭酸泉が設置されており、全ての選手が練習後にケアをしているそうです、(炭酸装置メーカー談)

日本のお風呂文化を世界へ

厳しい戦いに挑むアスリートたち、そして応援する私たちに、癒しの時間を与えてくれる入浴文化。日本が誇る高濃度人工炭酸泉をはじめとした「お風呂文化」が、国境を越えて多くの人々に愛されることを願ってやみません。

世界中の選手や観光客によって、日本の湯船がもっと広く認知されたらいいなと思います。私たちも、炭酸泉を通じてその後押しをしていきたいと考えています。